新Palm Pre ,日本語の入力の行方は?

まだ新しいPalmOSの表示がマルチリンガルになったと決まったわけではないけれど、仮に表示に問題がなかったとしてもう一つ重要なのが日本語の入力だ。

これもいくつかの選択肢があるけれど、どうしても候補の一つにあげなくてはいけないのがPoBoxだ。PoBoxは携帯電話の入力ではすでに当たり前になっている入力された文字から候補を次々に予測して表示し、ユーザーはその中から適当なものを選択してゆくことができる。

このPOBoxは一人のかつてSONYの研究所に在籍した増井俊之さんが開発し、フリーソフトとして公開されていた。いく度かバージョンアップをしているがPalmバージョンが最初に公開されたのは2000年頃。

公開場所とされていたhttp://pitecan.com/OpenPOBox/ はリンク先がなくなっているけれど、アーカイブには残っていて公開当時の様子をみることができます。
その後PalmOS5に対応したPOBox?for Palm OS5が公開されている。でも作者はだれなのかこの公開サイトからず、匿名のようです。

初めてPoBoxを使用した時の驚きは今でも覚えている。入力候補が使えば使うほど洗練されていくのが実感できたからだ。ときおりアルファベットの入力を行えば柔軟にそれらも入力候補に組み込まれて行く。成長した状態は一つのファイルに集約されているので、そのlearndic. pdbというファイルは自分だけのちょっとした資産のようにも感じられる。

そこで心配ごとがある。新たなPalmOSに対応したPOBoxは果たして登場するだろうか?

そこで問題になるのはPOBoxの作者である さんの現在の職場がiPhoneを発売するApple社であるということだ。フリーソフトであるPoBoxの開発はすでに停止している。しかし作者は技術を買われてPOBoxの技術が現在のiPhoneおよびIPod touchにいかされているのだ。POBoxの存在を知らなくても現在の私たちがiPhoneで使っている日本語入力機能はPOBoxそのものと言っていい。

SONYといえば当時PalmOSのライセンスを受けて独自のPDAを販売していた。それがCLIE。社外の個人的な研究の成果であるとはいえ、自社製品の魅力を増すという事情もあればこそPOBoxは公開されてきた。

しかし現在作者がAppleに所属するとなればPalmの新製品はいわばライバル製品であることは間違いない。個人的にPOBoxにはお世話になったし思い入れもあるソフトウェアなので何か因縁めいたドラマのようなものを感じるのは僕だけでしょうか?