そういえば”origami”プロジェクトはどうなった?

マイクロソフトが2006年頃に"origami"というプロジェクトの名前だけを見せたホームページを立ち上げて、これはいったい何なんだ?と話題になったもの。 で、結局これは大型のタッチパネルをつかった個人向けタブレットPCで、ノートパソコンともPDAともちがう新しいライフスタイルの提案のようなものだった。

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OSとしてWindows XPを改造したWindowsXP Tablet PC?Edition というのまで用意して当初何台かの実機もいくつかのメーカーから発表されたのを覚えている。

ところであのプロジェクトが発表されたのが、このアドレス。 http://www.origamiproject.com/ 現在はどうなったのかと開いてみたがすでに閉じられていたので、ウェブアーカイブで開いてみたら、2008年2月の更新を最後に無くなっている様子。

結局一般的になる前に無くなってしまったわかけれど、このときこの折り紙につけられていたカテゴリーが”UMPC"。ウルトラモバイルPCというもの。 どこかで聞き覚えがあると思ったら、最近3万円台から販売されている小型のノートパソコンもこのカテゴリー。ネットブックがそうだった。

マイクロソフトが狙った低価格なタブレットPCという新ジャンルは結局実現しなかったけれど、インテルから低価格で商品電力が低く速度もそこそこ速いAtomというプロセッサをつかったEee PCをはじめとする小型ノート、ネットブックとしてある意味実現してしまった。

実現を後押しした理由の一つはソフトウェアの進歩というよりもあえて低い性能のAtomプロセッサというハードの登場がキーになっている。 もう一つの理由は、メールやホームページの閲覧はもとより表計算やワープロの機能もネット上でどこからでも使えるという状況ができてきたこと。パソコンがそれ自体高い機能を必要としなくなり、ニーズが変化してきたことは肌で感じられるだろう。

コンピュータに詳しくなくともこれまで有名メーカー製のパソコンなら20万円台でもそんなもんだろうととらえていた層でさえ、数万円で登場したハードカバーの「本」ほどの大きさのネットブックには魅力を感じる。 少し前まで、小さなノートパソコンは高級なものだった。それは大振りなパソコンの性能をそのままに小型化を目指した物だったからだ。

パソコンでしたいことはネットにメール。時々仕事の書類をExcelで開ける程度で十分だと、この低価格のハードは割り切らせてくれる。なんでもできる魔法の箱は、あえてそこまで求めないことでより身近な「文具」の一つとして家庭に入ってきたのかもしれない。 ネットブックの普及は破壊的イノベーションの成功例といえるかもしれない。