「他人よりほんのちょっぴり高級、周囲よりちょっぴり上品、友だちよりもちょっぴり贅沢、隣家よりちょっぴり豪華……。これら微妙ないささかの差が大衆の虚栄心を満足させる。大差がありすぎては庶民は戸惑うだけだ。しかも、この僅差には大して金はかからない。そういうほんの少しの格差が、大衆にも絶対に必要なのだ」

小林一三